●労働安全衛生の5つの活動
本題に入る前に、労安活動の全体像について少し説明しておきます。
端的に言いますと、労安活動の目標は安衛法第1条(目的)にある「労働者の安全と健康の確保」と「快適な職場環境の形成促進」に尽きます。
この目的達成のために労安活動はありますから、逆に言えば、すべての危険・不健康・不快な職場環境を除去することが目標になります。これが労安活動で取り組むことと、A小ではとらえています。
そして、それを具体的に実現するのが労安活動の3大基本管理と言われる作業管理(行動)・作業環境管理(場所)・健康管理(身体)であり、それらを統括するのが安全衛生管理体制、さらにそれらを支えるのが安全衛生教育です。
「管理」というと聞こえが悪いですが、コントロールという意味で、また、「作業」という言葉もたくさん出てきますが、ここでは仕事のことと理解しておけばよろしいかと思います。
これら5つの関係を図で表すと下のようになります。
このうち「作業管理」は、今日の学校職場で一番の課題と言えます。
極論を言えば、作業環境管理・健康管理・安全衛生教育というのは「作業管理」と比べると、学校職場ではそれほどの問題はないように思います。
と言いますのは、学校という職場自体、基本的に子どもたちがいるぐらいですから、それなりに安全な職場であり、「作業環境」も機械を扱ったり夜間や屋外の業務ではありませんから、快適さはともかくとして、それほど危険・劣悪ということでもありません。
さらに、「健康管理」はどうかと言いますと、これも完全ではありませんが、健康診断等ほどほどのことはやっていますし、「安全衛生教育」も急を要するようなこともさほどありませんから、これらは徐々に進めていけばよろしいでしょう。