「衛生推進者が中心となって労安活動を進めること」は同時に、職場・学校や組織活性(再生)の道ではないかと、筆者は長い間考え続けてきました。
衛生推進者になって、労安に取り組む今日的意義として、次のようなことが考えられます。
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職場の状況 |
【仮説】 労安に取り組む意義 |
職場課題 |
・毎日が精一杯、疲労困ぱい ・病気休職者の増加 ・職場の閉塞感、あきらめ ・教育上の諸問題が山積 |
・職場が安全・衛生・快適になる。 ・医師の面接指導で健康障害防止、業務軽減 ・安心と希望が持て、職場に具体的改善がある。 ・ムリやムダが削減され、学校教育の質の向上 ・子どもと向き合う時間の確保 |
運動課題 |
・多忙の解決策がない。 ・賃金が上がらない。 ・職場多忙で組合活動衰退 |
・多忙を解消するのが、労安本来の役割 ・労安は実質賃上げ(時給アップ)である。 ・多忙解消と組合活性の一石二鳥。学習次第 |
組織課題 |
・職場に同調者や分会員が少ない。 ・組合が職場に見えない。 ・中年以降、職場で目標を見失いかけている。 |
・安全・健康・快適は職場全員(労使共通)の願い。安衛法が味方、精神的支えになる。 ・分会の活動が少しは見える。一目置かれる。 ・1人でも、どこでも自主的に取り組める。 ・やりがい、存在感、自信の回復 |
衛生推進者の活動は、学校規模などによってさまざまで、「これが標準」というものはありません。
でも、「法令・データ・説得」という活動の3点セットだけはどこでも共通するものです。
筆者もまだまだ試行錯誤の連続で、上記【仮説】の実証は道半ばですが、1つ1つ労安を切り口として取り組めば「大概のことは解決できる。今日より明日が良くなる。」と思えるようになってきました。
教育活動であろうと、仕事に関わることはすべて労働時間と労働環境を伴うものです。
すなわち、「すべての道は(ローマではなく)ローアンに通ず」るのです。
ですから、労安はあらゆる活動の突破口と言えます。