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●衛生推進者は誰が適当なのか?

【答え】労働者側が担った方がよい。

 

衛生推進者とは、安衛法に基づき、小規模事業場の安全衛生水準の向上を図るため、常時10人以上50人未満の職員を使用する職場で選任される職員の安全や健康確保などに係わる業務担当者のことで、全国ほとんどの学校で選任されています。

(本県100%、全国92%、2014年)

 

衛生推進者を誰がするのかということについては、法令上、事業者側とも労働者側とも明記されていません。

 

では、誰が相応しいのかということになり、意見が分かれるところです。

 

あちこちで、「押しつけ合い」や「奪い合い」も起きているようです。

 

筆者周辺の人に聞いてみますと、「衛生推進者」は聞いたことはあるものの、「どんな仕事をするのか、いまひとつピンとこない」という人が少なくありません。

 

理由は簡単です。

 

なぜなら、衛生推進者の職務について学習したことがなく、身近にいる衛生推進者も目立った仕事をしていないからです。

 

その結果、労安体制は一向に前進することなく、事業者も不勉強の上にあぐらをかいている状態が長く続いてきたのです。

 

「衛生推進者は誰が適当なのか」というのは本書の重要なテーマでもあるのですが、結論としては、職場改善に熱意のある労働者側職員(労働組合)が積極的に衛生推進者を担った方が良いと思います。

 

その方が職場の労安活動が活性化します。

 

労安活動が活発になるということは、必然的に「労働環境の改善」につながっていきます。

 

一般に、労働者側職員が衛生推進者になることについて、次のような意見があります。

積 極 論

① 校長への説得・協議、衛生委員会への議案提出や職員会議での周知・提案など、職場の労安活動をリードでき、実質的な労使対等に近づく。

② 勤務時間内に日常的な公務として、労働者の目線で職場労働環境の改善や研鑚に取り組める。

③ 労働環境や労働者の健康状態、要求等について情報や資料を得ることが容易になり、職場の労働安全衛生に率先して取り組める。

④ 校務分掌的で敷居が低く、活動が見えるので、管理職や労働組合に相談しにくいような悩み事でも相談窓口になって機能しやすい。

消 極 論

 労働者の安全と健康確保は本来、事業者の責任である。

➋ 本務外の業務が増え、多忙になる。

 プライバシーへの配慮や余計な守秘義務が生じる。

 事故、災害時の責任を問われる。

  

積極論については本ブログを読んでいただければ理解していただけると思いますので、ここでは4つの「消極論」について検討してみます。