●衛生推進者の歴史的背景
衛生管理者は1947年、衛生推進者は1988年の安衛法改正によって小規模の事業場にその選任が義務づけられました。
労働災害の発生状況は、それまで衛生管理者の選任が義務づけられていない小規模の事業場の方が、義務付けられている大規模事業場に比べて格段に比率が高く、職場実態も大規模事業場と比しても遜色のない複雑、多様な作業内容に変化したことが根底にあります。
こうした背景を見ると、小規模事業場における労安活動が伸びるかどうかは、事業者責任(事業者任せ)だけでは必ずしもうまくいかなかったことが分かります。
したがって、労安の成否は事業者の安全衛生に対する理解もですが、衛生推進者の活動にかかっているといっても過言ではありません。
その辺りの歴史が理解されていないと、衛生推進者は単に表面的な「本務外」とか「面倒くさい」仕事でしかないわけです。