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●2.仕事は労安活動の5分野に関わること

2.仕事は労安活動の5分野に関わること

衛生推進者の職務は上記の通りですが、実はこれらは後で出てくる衛生委員会の「調査審議事項」とリンクするものです。

 

ですから、「衛生委員会での調査審議の議案書をつくること」が衛生推進者の第一の仕事ととらえれば良いと思います。

 

するとその後の「衛生委員会での調査審議」⇒「事業者による決定事項の実施」という流れにつながります。

 

では、衛生委員会の調査審議事項とは何か?と言いますと、本書冒頭で説明した「労安活動の5分野」に関することで、例えば前掲の「①施設、設備等の点検及び使用状況の確認並びにこれらに基づく必要な措置」とあれば、「作業環境管理」のことを指します。

 

以下このように、すべての措置は「5分野」に収れんされます。

 

ですから、このあと本書で解説していく労安活動の5分野を理解していけば、具体的に行動できるようになります。

 

かなりアバウトな感じですが、これは労安活動が「自主的な活動」(1)を前提にしているからです。

 

と言うのは、業種や職場、そこで働く人々が異なれば、2つとして同じ労安活動はありませんから、法令で一律に衛生推進者の職務を細かく示すことができないのです。

 

したがって、先の条項が抽象的なのは、職場実態にあった創意工夫や自主性が衛生推進者に求められているからと思われます。

 

例えば、学校と建設業の職場を比較しても「②作業環境の点検」や「④安全衛生教育」の内容もまったく異なることは容易に想像がつきます。

 

ですから、安衛法が日本中の全産業・全職場をくまなく網羅して、その中で「あなたの職場での職務はこれこれです」と規定するというのはもともと不可能な話なのです。

 

衛生推進者の職務内容が、大きな目標である「安全・衛生・快適な職場」の方向に向かっている限り、事業者・労働者が納得できるならば、おそらく「何でもあり」です。

 

したがって、学校が百あれば百通りの課題と労安活動があるのであって、他の職場を参考にして真似するも良し、いろいろアイデアを出して学校独自に自由に取り組むことも良いのです。

 

 

では、このあとの第2章以降で、具体的な労安活動5分野について順に説明していきます。