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理由➍ 「衛生委員会という名称ではない」

理由➍ 「衛生委員会という名称ではない」

職員50人未満の学校では「衛生委員会」ではなく、「衛生推進委員会」「衛生委員会に準ずる組織」という名称を使っている場合があります。

 

この名称が違うことを盾に「衛生委員会ではないので毎月開催する必要がない」とする意見があります(前項と同趣旨です)。

 

 

実際に、本市(S市)と隣接するX市の規程を見てみましょう。

 

安衛法上の「衛生委員会」と「学校衛生推進委員会」や「衛生委員会に準ずる組織」はその目的、調査審議事項、構成員、人員基準等において同等の内実・外観を備えていることがわかります。

 

規程の比較

 

 

安衛法

S市規程

X市規程

根拠法規

労基法

安衛法

安衛法

規  模

常時50人以上の労働者を使用する事業場

50人未満の職場

規定なし

規定なし

名  称

衛生委員会を設けなければならない。(罰則あり)

委員会を設けている事業者以外の事業者は、衛生に関する事項について、関係労働者の意見を聴くための機会を設けるようにしなければならない。

50人未満の職場のうち、「委員会を設けている事業者以外の事業者」は、関係労働者の意見を聴くための機会を設けよという意味。

学校衛生推進委員会を設置する

 

衛生委員会に準ずる組織を設置する

目  的

調査審議させ、事業者に対し意見を述べさせるため

※「意見を聴くため」だけでなく「調査審議」をしている。

衛生に関する事項について、関係労働者の意見を聴くため

 

衛生に関する事項について職員の意見を聴くための機会

調査審議し、校長に意見を述べる。

 

衛生に関する事項について職員の意見を聴くための機会

調査審議する。

 

 

調査審議

事項

①健康障害防止対策

②健康保持増進対策

③労働災害防止対策

※調査審議事項は全く同じである。

④その他

 

①健康障害防止対策

②健康保持増進対策

③公務災害防止対策

④その他

①健康障害防止対策

②健康保持増進対策

③労働災害防止対策

④その他

構成員

①総括安全衛生管理者又は事業の実施を統括管理する者等(1名)

②衛生管理者

③産業医

④労働者(衛生に関する経験を有する者のうちから事業者が指名した者)

衛生推進者

50人未満であれば安衛法では、衛生推進者だけのはず。

 

 

 


①校長

②教頭

 

③衛生推進者

 

④衛生に関し、経験を有する者のうちから校長が指名したもの

①校長

②教頭

 

③安全衛生推進者等

④産業医等

⑤当該学校の職員で、衛生に関し経験を有する者のうちから校長が指名した者

人 数

規定なし

8人以内

7人以内

人員基準

※人員基準も全く同じである。

第①号の委員以外の委員の半数については、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合があるときにおいてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときにおいては労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき指名しなければならない。

 

第①号の委員以外の委員の半数については、職員の過半数で組織する職員団体(職員の過半数で組織する職員団体がないときは職員の過半数を代表する者)の推薦に基づき指名しなければならない。

 

 

 

第①号の委員以外の委員の半数については、職員の過半数で組織する職員団体(職員の過半数で組織する職員団体がないときは職員の過半数を代表する者)の推薦に基づき指名しなくてはならない。

任期と再任

規定なし

1年、再任可

1年、再任可

開催頻度

毎月1回以上開催するようにしなければならない。

※衛生委員会に酷似しているのに、ここだけ変える必要性がない。

規定が無いのだから、上位法令を準用して毎月1回とすればよい。

 

 

 

 


規定なし

規定なし

周  知

委員会における議事の概要を労働者に周知する。

規定なし

規定なし

記  録

委員会における議事で重要なものに係る記録を作成し、これを3年間保存する。罰則あり。

※規定がないときは、安衛法を準用すればよい。

規定なし

 

規定なし