市の規程や条文等から次のことが言えます。
① 目的、調査審議事項、構成員、人員基準等の核心部分において安衛法の衛生委員会とほぼ同じである。
② 開催頻度は規定していない。
③ 50人未満であっても、衛生委員会を設けることを容認している。
④ 「関係労働者の意見を聴くための機会」には、「衛生の委員会」も含まれている。したがって、「意見を聴くための機会」といえども衛生委員会に準じた取扱いになると解釈できる。
⑤ 「準ずる」とは、「一定の定め、方法等を基準、模範とし、これと基本的に同様の取扱い、処理をすること。若干の修正はあるがおおむね同様との意。
類似の性質、内容、要件等を有している別のものについて、そのあるものと同じ取扱い、処理をする場合に使用される語」(『法律用語辞典』内閣法制局法律用語研究会・有斐閣,1994)とされている。
したがって、X市のような「衛生委員会に準ずる組織」と「衛生委員会」は実質的にはほとんど変わりなく、同じ取扱いになる。
⑥ S市のような「学校衛生『推進』委員会」であれば、「衛生委員会」以上の活動を文字通り『推進』すべきである。
結論として、安衛法の「衛生委員会」と市町村規程にある「学校衛生推進委員会」や「衛生委員会に準ずる組織」では名称が違うだけで、同等に扱うことができ、開催頻度においてのみ安衛法の規定を踏襲しない合理的・積極的理由はないと言えます。