●安全配慮義務について
公務員の場合は労働契約法5条(労働者の安全への配慮)の適用はありませんが、判例に「国は、公務員に対し、国が公務遂行のために設置すべき場所、施設もしくは器具等の設置管理又は公務員が国もしくは上司の指示のもとに遂行する公務の管理にあたつて、公務員の生命及び健康等を危険から保護するよう配慮すべき義務(安全配慮義務)を負つているものと解すべきである。
安全配慮義務は、ある法律関係に基づいて特別な社会的接触の関係に入つた当事者間において、当該法律関係の付随義務として当事者の一方又は双方が相手方に対して信義則上負う義務として一般的に認められるべきものであつて、国と公務員との間においても別異に解すべき論拠はない。」(最三小1975・2・25)があります。
地方公共団体も同様に当該地方公共団体の地方公務員について安全配慮義務を負っていると考えられます。
つまり、任用時に「あなたを労働災害の危険から守って働かせると約束します」といちいち断らなくても、安全配慮義務は任用行為そのものに最初から付随している義務となります。その担保補償として公務災害補償があります。