スタンス➏ 長時間労働削減のためには仕事量を減らすこと
2006年、文科省によって「教員勤務実態調査」が40年ぶりに実施されました。その結果、教職員の深刻な長時間労働の実態が明らかになりました。
【文部科学省・教員勤務実態調査 小中学校平均 休日を含む】
年 度 |
1966(A) |
2006(B) |
比 (B)/(A) |
1ヶ月あたり残業時間 |
8時間 |
42時間 |
5.25倍 |
1日あたり休憩時間 |
32分 |
14分 |
0.43倍 |
① 40年前の数字と比較すると、教育技術・機器・設備・人員の改善や正規の勤務時間の縮減はあったものの、超過勤務は当時の5倍以上にも増えています。
内訳を見ると、担任授業時数に大きな変化はありませんが、会議・打ち合せ、事務・報告書作成などの児童生徒の指導に関わらない業務の増加があります。(1日当たり1時間43分)
② 超勤は学級児童数が10人以下や20人以下の小規模の学校にも少なからずあります。
つまり、現状では超勤問題解決は教職員定数の問題よりも、仕事量の問題が大きいのではないかと思います。
職員がいくら増えてもそれ以上の仕事を無条件に受け入れたり、職員自らが安易に創りだしている状況では、いつまで経っても「イタチごっこ」になります。
したがって、「今いる職員数に対しての仕事量は正規の勤務時間に照らして適切なのか」という逆算的な課題設定の方が、より本質的な解決に近いのではないかと捉えることにしました。
長時間労働の削減方法として、大きく3つの方法が考えられます。
1つは先ほど➋で述べた法令の遵守・権利行使、2つ目に教職員の数を増やすこと、3つ目に仕事量を減らすことです。
このうち学校で取り組めるのは➋と3つ目の方法です。
超勤のほとんどは「自主的自発的」であるというのが判例(京都地裁2008.4.23など)ですから(実態はそのようなことはありませんが)、開き直って、「自主的自発的」な仕事を含めた仕事量が多過ぎれば、減らすしかありません。
すなわち、長時間労働は自分たちの学校でも取り組める課題なのです。