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労働時間把握の根拠2

2.労働時間把握の根拠

安衛法・労基法その他の法令において、労働時間の把握について使用者の義務と定めた直接の規定はありません。

 

しかしながら、例えば、労基法32条では、「使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない」との規定があります。

 

使用者がこれらの規定で定める義務を履行するには、当然に労働者の労働時間を把握しておかなければならないことになります。

 

「超えて労働させてはならない」のに、「超えて労働しているか、いないか」分からないようでは、義務を果たしたことにはなりません。

 

県教委は通知で「勤務時間の適正な管理」と言っていますが、このような背景があるわけです。

 

ですから、これまでも労働時間調査の実施自体は何ひとつ難しいものではなく、前任校では県内一斉に開始された2013年以前から独自に取り組んでいたのです。

 

 

判例においても「正確な時間外労働の時間数が不明であるのは、出退勤を管理していなかった会社の責任であるから、正確な残業時間が不明であることを理由として、時間外割増賃金の請求が認められないことにはならない」(大阪地裁1998.12.25)があり、その前提として、使用者に労働時間の管理・把握の義務があるとされています。