5.労働時間調査の方法
では、労働時間調査の具体的方法です。これは、労基局長通知「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準についてにある通り、厚労省は次の3種類に限定しています。
①使用者が、自ら現認することにより確認し、記録すること。
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②タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し、記録すること。
③自己申告制により始業・終業時刻の確認及び記録を行う場合 |
①の方法は、40名近くの職員がいるA小では、現実的に無理です。使用者の目が届かないのです。
この方法は、もともと職員数が少なく建物も1棟に限られるようなところを対象としています。
また、使用者が実際の労働時間よりも短く記録する等、不正に記録している場合には記録自体の意味がなくなりますから、この方法をとる場合はトラブル防止のため、確認した始業・終業時刻について当該職員からも確認することが望ましいとされています。
②の方法では、配慮すべきこともあります。
休憩時間や持ち帰り仕事の把握、タイムカードを打刻する場所と実際に勤務する場所が離れている場合の措置などは事前に協議しなくてはなりません。
A小では、③の「自己申告制」を採用しています。
これは、先の①②の方法と比べるとやむを得ない場合の例外的な方法とされていて、使用者は労基局長通知に記されている措置を講ずることが必要とされています。
時間管理義務とは、労基法、給特法の規定を守り、職員に無報酬の時間外勤務をさせないためにあります。
重要なのは「教育労働も時間で計測される」という原則です。
教育が特に教育職員の自発性・創造性にもとづく勤務に期待することが大きいとしても、「教育労働は時間計測になじまない」というものではありません。
「時間計測になじまない」のであれば勤務条例をもって勤務時間を定める意味がありませんし、教育職員の勤務時間それ自体を否定することになります。
そして当然のことですが、教員の時間外労働も労働時間です。